アークス広報隊にまつわる問題の顛末について

今日のアップデートと時を同じくして、日曜からこっちさんざん揉めていた、公式ニコ生配信企画「アークス広報隊」の一般公募枠についての最終的な結論が発表されています。

『PSO2アークス広報隊!』一般応募枠の中止について

前の企画となる「アークス候補生」は人気企画となりましたし、今回も何ヶ月も前から準備・告知されてきた企画でした。実際に僕も見ていた日曜日の放送は、熱心な人から悪意ある野次馬まで手広く含めても、結構な視聴者で盛り上がっているようにみえました。それだけに、企画の中止というのは運営側としたら断腸の思いでしょう。出演のみならず選抜に参加していたのはプロデューサー・ディレクターのみならずPSO2の情報発信の中核ともいうべき「PSO2放送局」のメンバーですので、これからの放送に禍根を残す可能性もあります。今は発表したてですのでどの方向に対しても感情的なコメントがあふれている状態ですが、運営側にはこれから先の継続的にフォローと舵取りが求められることになると思います。


今回の問題、僕の視点で言えば典型的な「ゲーム外ゲーム」の悪い結果だと思います。このブログで何度も使っている言葉ですので読んでいただいた方がいらっしゃれば納得していただけることかと思いますが、繰り返すと「ゲーム内で完結しない、運営側とプレイヤーのコミュニケーションが、ゲームそのものと同格、あるいはそれ以上認識され、継続して行われている状態」を想定しています。詳しくは以下のエントリを読んでいただけるとありがたく思いますが。

PSO2の「構造」④ ~「ゲーム外ゲーム」に負けた「物語」

実際の事実関係を一旦棚上げした上で考えると、「選考の際に不正を使った候補者や、それを追認する運営側に対して視聴者・プレイヤーが共有できる正義を認めさせたい」という動機が、煽り目的であれ、心からの怒りであれ、それぞれのプレイヤーを動かして公式への凸なり掲示板や告発動画へのコメント・支援なりに繋がっていったのだと思います。運営側の判断を覆す事自体がひとつの「ゲーム」として成立していたわけです。そしてそれは、結局運営側の判断を覆させることに成功しました。これだけ大きな結果が出ると、運営側はリスクを負った企画を立てなければなりませんので、次にやるとしてもかなり選択肢を限定したものにならざるをえないでしょう。一方でプレイヤー側は、動画の告発・メル凸といった行為に大きな効果があることを再認識し、より広範囲な行動で同様の手段を取ることが想像されます。
では、今回の問題でどこにより大きなリスクがあったのでしょう?
僕は、「ニコニコ生放送でゲーム配信する生主」という既存のインフラに乗っかろうとしたにしては、運営側のリサーチが足りなかったのではないかと思っています。自分から生放送を企画して自分を売り出していく生配信者は、大人気の人からほとんど知名度のない自己満足な感じの人まで様々に存在していますが、相応に自分を切り売りするリスクを負っています。自分が配信していると思っている情報以上のものが、動画およびそれに付随するものから配信されていると僕は思っているのです。そして、多くはそれを完全には管理しきれていないだろうと。一度でも公開していた情報は、たとえ該当の動画なりページなりを削除したとしても誰かによってアーカイブされ延々と残るということを、ネットの利用者は常に自覚するべきなのですが、なかなかそれは徹底されないみたいですね。まして、人気のある人になるとその危険性は飛躍的に高まります。「誰が誰と仲が良くて連絡を取り合っていた」なんて痕跡を消すのは難しく、どこからともなく追われてしまい、消去しようと努力するたびにより匿名性の高いメディアから放流されるというイタチごっこになります。まして、動画には端的な情報だけでなくて、個人のパーソナリティや感情も内包されているので、見ている方も感情を発露させる形で対応しやすくなってしまいます。そして、ネット生放送は放送者と視聴者という上流から下流への関係性とは別に、「(視聴者が)見てやっている・支えている」「放送のプロではない素人同士」といった感情的な対等関係と受け取られるので、その扱いも突発的・激情的になってしまうのではないかとも思っています。
「PSO2を使って成り上がる野心」とか「セミプロの素人がPSO2玄人を差し置いて選ばれる」ということなど、野心的なルールが運営側の当初よりの方針だというのであれば、それはそれでありなんじゃないかと僕は思います。ならば、起こりうる最大のリスクを考慮に入れて、運営側は備え、振る舞うべきだったし、当該の方を含め参加者は全てそれをじゅうじゅう認識しておくべきだったでしょう。今後このようなオーディションが開催されるとしても、こんな事態に発展すると知っていれば参加を渋る方も多いんではないでしょうかね。
視聴者が「ゲーム外ゲーム」のプレイヤーとして求めているのは、おそらく、納得のいくルールです。その納得が、倫理的・商業的には傍から見ればアンバランスなものであったとしても、ゲームとして枠を外していなければ、おそらく今回のようなことにはならなかったはずです。様々に「告発」された事象が、プレイヤーの多くにアンフェアだと思われてしまったことが今回のリスクでした。そしてそれは、感情的に人を結びつけて記録を残していくニコ生・生主というシステムからすれば絶対に避けて通れないリスク要因だったと言わざるをえません。問題を見守っていた人の比較的多数の人がこう思ったことでしょうからね……「結局これ、誰が選ばれたとしてもこうなったんじゃないの?」と。


上の方のエントリにある通り、僕は運営側がゲーム外でゲームを補完・補強するようなイベントを仕掛け、「プレイヤーが運営側に影響を与えていると思わせる」スタイルでプレイヤーを管理していく「ゲーム外ゲーム」について、前々から批判的に捉えています。ゲーム外でプレイヤー同士、あるいはプレイヤーと運営側が望ましい交流をするというのは、あくまでゲームに付随した面白さであって、まず第一にゲームの面白さ・作り込みを優先してこそ発生するものだと思っているからです。実際にアークスキャラバンなどに参加してその楽しさに触れた今も、その気持ちは変わりません。PSO2が好きだからこそ、その点にずっと失望していています。
今回にしたって、まったくゲームと関係ない部分で、ゲームの評判やコミュニティにダメージを与える結果になってしまいました。とても残念です。
もちろん、上手く機能していれば予想された効果を発揮していたのでしょうけれども…新しいことに挑戦するというにしては、公式にニコ生・生主を起用という手段は他のゲームでも行われていて独創的なものではありませんし、そちらでも既に様々な問題が起こっているわけで、安易だったのではないかと思っています。僕自身は「候補生」放送をほぼ観ていなかったので、PSO2がらみのニコ生に対する魅力を差し引いて考えている部分があるというのは事実ですけども、ゲームの運営を左右するほどに盛り上げて、果たしてよかったのかどうか。酒井Pが志向するゲームの枠を広げていく「拡大路線」が止まることはないと思ってはいますが、運営側には冷静な検証と、今後の運営に対するフィードバックをお願いしたいところです。さしあたっては次のアークスキャラバンでなにかしらのフォローがあるのでしょう。
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tag : PSO2運営方針考察 PSO2放送局

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No title

 私自身、件の流れはいわゆるPSO2に有象無象いる。
『意味不明に喚きそこにのっかかり、お祭りをし誹謗中傷行い、いいやトラブはよ』
 こういった連中が騒ぎ立てているようにしか見えませんでした。
 しかし日がたつにつれ、どうも自分の視点に齟齬が生まれているような気がしていました。
 ただ前提を申せば、広報隊にお金をかけたにしろ。直接的な当事者でない、アークスは関われないので、個人攻撃はおかしいという考えは変わりません。

 事前準備もセガは足りなかっただろうし、生主との連携が全くできていなかったのでしょう。
 龍波氏側も認識の甘さがあり、このくらいの範囲であれば良いという、ルールの穴をつくようなことをしたのかもしれません。
 この辺りはTSを確認していないのでよくわかりません。
 ただ削除をしているのは、事実がどうであれ龍波氏の謝罪文よりも重い、最後の終着点なのだと思います。
 とまれ私は今回の件では間違っていたと認識します。
 しかし、PSO2と運営との距離感、無料で長期に渡るプレイ維持が可能な以上、こういった問題、2chに張り付くプレイヤー、極一部の方たちによって、多数の方が不利益を被っている状況はひどくなる一方でしょう。

 そういった中で考えると、批評以前に心理的に人間はおおざっぱに興味があるかないかで生きています。
 いわゆる楽しいか楽しくないかです。
 その舵を一部のユーザーが動かし続けているのかもしれません。
 大局で考えればそうとうな不利益です。

 セガは桜大戦からマルチに展開し、いわゆる流れを作るのが得意な会社です。
 それはPSO事態が、家庭用ゲーム機で初めて成功した作品という証拠でもあります。
 なので今回は最悪の事態になったといえるでしょう。
 バランス調整のたびスキル初期化を配り、公式HPと連携して様々な強化期間を設けたり、これらはセガとユーザーの距離感を縮める為です。
 生放送でもことあるごとに、会場で酒井Pが「友達になった人は?」的なあれです。
 主要開発陣はそこに誇りすらもっているのでしょう。
 私自身ゲーム外ゲームといわず、人としてネットゲームという枠の中で逡巡するととても正しいと感じています。
 
 今回はすべてが最悪な結末です。運も悪いこれから少しずつ誰かはわかりませんがその人の溜飲が下がるのを待ちましょう。
 

Re: No title

コメントありがとうございますー。遅くなりましたがお返事です。

お話の件はよく分かります。声が大きくお金を遣わないでいながらゲームの運営バランスに大きな影響力を持つような継続的・断続的なプレイヤーというのは、特にF2Pのネットゲームやソーシャルゲームに多く存在していると思います。ゲーム内外で運営側が想定するバランスの裏をかくことで優位に立つこと、それ自体をゲームにしている人たちです。ゲームに時間もお金も使えない、一番多い層であるであろうプレイヤーたちが、このような立場からゲームに影響を及ぼすことを理不尽だと思うこともあるでしょう。
一方で、ソーシャルなゲームは元来、こういう「熱心な」プレイヤーの存在を想定した設計になっているのではないかと僕は考えています。こういう人たちが競争を煽ることでモチベーションを得る人もまたいるのです、多分。PSO2は従来のネットRPGとソーシャルゲームの両方の特徴を併せ持つゲームではないかと思っていますが、こういう「煽り」に対して構造的にあまり強くできていないんじゃないかなという疑問があります。その問題を抱えたままでも、これだけの人数を現状では集めていられるから、運営側は全体で見れば成功だと考えているのかもしれませんが…。

>  セガは桜大戦からマルチに展開し、いわゆる流れを作るのが得意な会社です。
>  それはPSO事態が、家庭用ゲーム機で初めて成功した作品という証拠でもあります。
>  なので今回は最悪の事態になったといえるでしょう。
>  バランス調整のたびスキル初期化を配り、公式HPと連携して様々な強化期間を設けたり、これらはセガとユーザーの距離感を縮める為です。
>  生放送でもことあるごとに、会場で酒井Pが「友達になった人は?」的なあれです。
>  主要開発陣はそこに誇りすらもっているのでしょう。
>  私自身ゲーム外ゲームといわず、人としてネットゲームという枠の中で逡巡するととても正しいと感じています。

僕もセガはハードメーカーだった頃から「場」を作る会社だったと思っています。今でも継続して熱心なセガのファンがネットで散見されますしね。PSO2もその方針の延長線上にあることは間違いないでしょう。
会社としての方針はそれでいいのかもしれませんが、ただPSO2の構造はちょっと割り切りすぎというか、本来RPGにあってしかるべきものがなさ過ぎていて、プレイヤーの不満を数値の調整とゲーム外イベントで逸らすことが多いんじゃないかな?という疑問を呈しているのです。いかにプレイヤー同士、プレイヤーと運営側が信頼関係を結ぼうとも、それでゲームの補完をするというのは違うんじゃないかな、と。ゲームの運営方法がチャレンジャーなだけではなくて、ゲームの内容がチャレンジャーというか、常にパイオニアであって欲しい、というのが僕の願いです。


ともあれ、問題に対してうまく立ち回り、早く平穏を取り戻して、もし次をやるのであれば、こちら側からつけ込ませる隙を見せない企画で盛り上げて欲しいと思いますね。
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